下肢静脈瘤手術後の生活と注意点 リハビリは必要? 禁忌事項は?

下肢静脈瘤の治療法と選び方

「下肢静脈瘤の手術を受けたけど普段通り過ごせばいいのかな?」

「飲酒や運転、仕事に行っても大丈夫なの?」

など、下肢静脈瘤の日帰り手術を受けた後、どう過ごせば分からない方もいるでしょう。

この記事では、下肢静脈瘤の日帰り手術を受けた患者さんが、よく心配される手術後の生活について解説します。

結論としては、「日帰り手術後はすぐに普段どおりに近い生活へ戻れることが多い一方で、手術当日は飲酒、激しい運動は控えていただいた方がよいことが多く、圧迫療法の扱いなどは主治医の意見に従う」ということになるかと思います。

術後の適切な運動負荷や食事、飲酒、圧迫療法など、適切に行うことが、回復をより促進し、合併症を防ぐために大切なのでぜひ、参考にしてみてください。

こちらのブログの内容は、以下の動画でも解説しています。

なお、下肢静脈瘤の治療全体像(どんな治療があるか、受診の目安など)は、こちらにまとめています。治療の全体像を確認したい方は、こちらも参考になります。

下肢静脈瘤手術後はどんな治療を行う?

下肢静脈瘤の日帰り手術後、多くの患者さんが術後の生活について心配されることが非常に多く、リハビリなどが必要か?何かやっていけない禁忌事項はあるのか?などの多くの質問をいただきます。

まず、手術後に行う治療方法について解説していきましょう。

圧迫療法

術後、手術を受けた足には一日だけ弾力包帯で固定します。足の甲(足背)からテーピングをするように弾性包帯で巻き上げます。状態によってはサポーターで固定することもあります。

巻き方については専門性が高いため、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターが巻かせていただきます。少しきつく感じることがあるかもしれませんが、通常は翌日にはずしますので心配ありません。

その後は約1ヶ月間、弾性ストッキングを着用していただきます(グルー治療では不要)。

↓グルー治療についてはこちらをご確認ください

血管内焼灼術後の圧迫療法には、術後早期の痛みを軽くする効果が報告されています。使用する種類や期間は、治療法、同時に行った処置、足の状態によって異なります。指示された方法で着用し、強い締めつけや痛みなど気になる点があれば、我慢せず治療を受けた医療機関へ確認してください。

下肢静脈瘤の手術後のリハビリは必要?注意点など

術後から通常の日常生活に近い形で過ごせることが多いです。お仕事も、激しい運動を伴わないものであれば術後から可能な場合があります
一方で、サッカー、野球、テニスなどの激しい運動や長時間の正座は、術後1週間ほど控えていただくことがあります

ただし、これらは目安であり治療法や施設により多少異なることがありますので、必ず主治医の指示に従うようにしてください
合併症予防の観点では、全く動かないことも望ましくないため、日常生活レベルの活動やウォーキングは無理のない範囲で続けていただきます。

食事は制限ないが手術当日の飲酒は控えるように

食事については特に制限はありませんが、飲酒は手術当日は控えるようにしていただいています。

入浴・シャワーは、包帯や傷の扱いを確認してから

シャワーと湯船では、再開できる時期が異なることがあります。傷の有無や包帯・保護材の種類、治療法によっても案内は変わるため、治療を受けた医療機関から伝えられた日程を基準にしてください。

包帯や保護材を濡らさないように案内されている間は、自己判断で外したり、湯船につけたりしないようにしましょう。

車や自転車の運転は、安全な操作ができてから

手術当日は、自分で車や自転車を運転して帰ることは避けてください。再開の目安は、麻酔や処方薬の影響がなく、痛みやつっぱり感でペダル操作が妨げられず、安全に急ブレーキをかけられることです。

再開できる時期は、治療した足や麻酔、治療内容によって異なることがあります。治療を受けた医療機関からの指示を確認してください。

座りっぱなし・立ちっぱなしが続く日は、時々歩く

術後はずっと横になって過ごす必要はありません。体調に合わせて日常生活に戻しながら、同じ姿勢が長く続くときは、途中で短く歩く時間をつくりましょう

立ち仕事や長時間の移動など、自由に動きにくい予定がある場合は、仕事を再開する時期や圧迫療法の扱いを治療を受けた医療機関へあらかじめ確認しておくと、予定を立てやすくなります。

下肢静脈瘤の手術後に起こる症状について

レーザーや高周波によるカテーテル治療の後は、一時的に内出血、筋肉痛のような痛み、血管に沿ったつっぱり感や硬さ、しびれなどが出ることがあります。症状の出方は治療範囲や同時に行った処置によっても異なりますが、多くは時間の経過とともに軽くなります

痛みや腫れが前日より強くなっている、治療前に受けた説明と違うと感じるなど、気になる変化があるときは、まず治療を受けた医療機関へ確認してください。

症状の名前が分からなくても大丈夫です

相談するときは、「いつから」「足のどのあたりに」「歩いたときと休んでいるときのどちらで気になるか」「前日と比べてどう変わったか」を伝えると、経過を整理しやすくなります。うまく言葉にできない場合も、分かる範囲でかまいません

レーザー・高周波による治療後の痛みやつっぱり感がどのように変わるかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

よくある質問

Q 下肢静脈瘤の手術後にリハビリは必要ですか
A 特別なリハビリが必要になることは多くありません。全く動かないことは望ましくないため、日常生活レベルの活動やウォーキングは無理のない範囲で続けていただきます。

Q 下肢静脈瘤の手術後は仕事に行っても大丈夫ですか
A 激しい運動を伴わない仕事であれば、術後から可能な場合があります。ただし、仕事内容や術式、体調によって異なるため、不安がある場合は手術を受けた医療機関へ確認してください。

Q 下肢静脈瘤の手術後にお酒は飲んでもいいですか
A 食事に大きな制限はありませんが、手術当日の飲酒は控えるようにしてください。翌日以降については、体調や医師の指示に合わせて判断しましょう。

下肢静脈瘤の手術後は過剰な心配せず普段通り過ごそう

現在主流となっているカテーテル治療の場合、身体への負担が比較的少なく、術後も普段に近い生活へ戻れることが多いため、過度に心配しすぎる必要はありません。術後の注意点を守りながら、無理のない範囲で日常生活に戻していきましょう。

本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
治療を検討しているものの、術後のことを心配なさっている方はもちろん、周りの方にもし心配されておられる方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。

術後の生活や症状について迷うときは、まず治療を受けた医療機関からの指示を優先してください

そのうえで当院への相談を希望される場合は、診察と必要に応じた静脈エコー検査で、治療した血管や周囲の状態を確認できます。確認の結果、治療や特別な処置をせずに経過をみられると分かることもあります。症状をうまく説明できなくても、「いつ頃から、どのあたりが気になるか」を診察で一緒に整理します。

この記事を書いた人
春山興右

このブログでは、日々の診療の中で感じたことや、患者さんから実際によくいただく質問などをもとに書き始めました。
教科書的な内容はもちろんですが、本には書かれていない、現場で診療を続けていて初めてわかる知恵や皆さんが知りたいと感じることを、素朴に、わかりやすくお伝えしていけたらと思っています。

静脈瘤の診療は、国内外で取り組んできた医療ボランティア活動と並んで、私にとっては大切なライフワークであり、生きがいのような存在です。
ところどころ熱が入りすぎてしまったり、至らない点も多いかと思いますが、どうか温かい目でご覧いただけたら嬉しいです。

資格は、脈管専門医・指導医、下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医、皮膚科専門医、男性ストッキング・圧迫療法コンダクターなどです(治療者兼当事者であり、毎日弾性ストッキングを履いています)。
よろしくお願いしますm(_ _)m

春山興右をフォローする
下肢静脈瘤の治療法と選び方
シェアする
春山興右をフォローする
タイトルとURLをコピーしました