「静脈瘤のような症状があるけどもしかして血栓?危なくないの?」
「血栓があったら病院に行くべき?」
など、足の違和感が気になる方も多いのではないでしょうか。
足の血栓は、誰にでも起こり得るものであると同時に、稀に放置すると命に関わるタイプもあります。
このため、血栓についての理解と病院受診を検討する目安を知っておくことが大切になります。
この記事では「血栓の種類」「代表的な症状」「リスク因子」「予防」そして「受診の目安」について詳しく見ていきます。
足の血栓とは何か まずは全体像を理解しましょう

血栓とは血管の中で血液が固まってできる「血のかたまり」です。血栓というと怖い印象があるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。重要なのは「どの血管に血栓ができたか」です。
代表的なものとして次のように整理することができます。
- 表在静脈血栓症(血栓性静脈炎):浅い静脈(表在静脈)の血栓のこと
- 深部静脈血栓症(DVT):深い静脈(深部静脈)の血栓のこと
DVTの血栓が移動して肺の血管を詰まらせると肺塞栓症となり、迅速な治療が必要になることがあります。
血栓性静脈炎は痛みを伴うことが多く、驚いて来院される患者さんが多いのですが、多くの場合、命に別条はありません。
一方で深部静脈血栓症(DVT)の場合は血栓が移動して肺の血管を詰まらせる(肺塞栓症)可能性があり、迅速な治療が必要になることがあります。
特に注意するべき重症化しうる病態 深部静脈血栓症/エコノミークラス症候群

では、足に血栓ができた際に特に注意するべき重症化しうる症状とよくある血栓の誤解について解説していきます。
深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群 ロングドライブ症候群)
足の深い静脈(深部静脈)に血栓ができ、それが肺に飛び命に関わり得る状態(肺梗塞)です。
足の片側の腫れや痛みに加え、息切れ、胸痛、息苦しさなどが重要なサインとなります。
エコノミークラス症候群について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
下肢静脈瘤の方によくある血栓の誤解
下肢静脈瘤で血栓は起こり得ますが、多くは浅い静脈の血栓(血栓性静脈炎)です。
痛みを伴うことは多いものの、大事に至ることは多くありません。深い静脈に血栓(DVT)ができることは稀とされています。
また、静脈瘤の血栓がそのまま心臓や脳へ行くことは、体の構造上ほとんど起こりません。
下肢静脈瘤で起こる血栓のリスクを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
ピル服用中の方によくある血栓の誤解
ピルにより静脈血栓症のリスクは約5倍程度上がることがあります。
しかしながら、実際にはそれほど頻度は高くありません。ただし、喫煙や肥満などのリスク因子がある場合は注意が必要です。
片足の腫れ、痛み、息切れ、胸痛があれば早めの受診が重要です。
ピルを服用による血栓のリスクについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらを参考にしてみてください。
原因やリスク因子、予防に関して

足に血栓ができないようにするためには、日頃から以下のようなことに気を付けて生活することが大切です。
- 同じ姿勢を続けない
- ふくらはぎを動かす
- 水分をしっかり摂る
- 弾性ストッキングを履く など
ここでは、下肢静脈瘤が起こる原因とともに普段からどういったことに気を付けるべきか詳しく解説していきます。
長時間同じ姿勢(デスクワーク 在宅勤務 エコノミークラス等)のリスクと予防
長時間の座位などで下肢静脈の血流が滞ることは血栓発症のリスクに関係することがあります。
予防の基本は「同じ姿勢を続けない」「ふくらはぎを動かす」「水分をしっかり摂る」「弾性ストッキングを履く」等、自分でできることが多くあります。
在宅勤務によって下肢静脈瘤が起こらないよう気を付ける方法が知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
薬剤関連(ピルなど)の血栓リスクだけじゃない!併存するリスクも知っておこう!
ピル単独だけでなく、喫煙や肥満など併存するリスクを含めて総合的に判断することが重要です。
ピルを服用している方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
補足 類似疾患(モンドール病、足の甲のしこり等)について

ここでは、下肢静脈瘤と似た類似疾患「モンドール病」と「足の甲のしこり」などについて解説していきます。
「下肢静脈瘤のような症状はないけれど足以外に違和感がある…」といった方はぜひ、参考にしてみてください。
体感(胸やお腹)の血管が浮き出る 索状のしこり モンドール病
モンドール病は皮下の静脈に血栓ができる「血栓性静脈炎の一種」です。
通常は自然に治癒することが多いですが、症状が長引く場合は精査が必要になることがあるため一度は医師の診察が望ましいです。
モンドール病について詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
足の甲が浮き出ている、しこり・痛み・痒みがある場合
足の甲の症状は
- ガングリオン
- 静脈炎
- 腱鞘炎
- 外反母趾など
複数の原因が考えられます。
超音波検査である程度は鑑別がつくことが多いです。
多くのケースで血栓を溶かす薬(血液サラサラの薬)が不要なことが一般的です。
足の甲の症状が気になる方はぜひ、こちらの記事を参考にしてみてください。
医療機関の受診を検討する症状

医療機関の受診を検討する症状は以下のものがあると思います。(緊急性が高いもの順)
- 息切れ、胸の痛み、息苦しさが突然出現した
- 総合病院で肺塞栓症を含めた精査を検討
- 片足だけの急な腫れ ふくらはぎの痛みや熱感
- 総合病院でDVTを含めて精査を検討
- ピル内服中で 上記のような症状が出た
- 特に喫煙や肥満などのリスクがある方
- 下肢静脈瘤があり、急に痛みを伴う索状のしこりや赤みが出た
- 血栓性静脈炎などの精査を検討
- 胸やお腹に索状のしこりや痛みが続く
- モンドール病なども含めて精査を検討
- 足の甲のしこりや痛みや痒みが続く
- 超音波などでの評価を検討
上記のような症状が気になる方は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
まとめ
足の血栓は、できる場所と種類によって危険性が大きく異なります。特に早めに対応した方が良いのは深部静脈血栓症(DVT/エコノミークラス症候群)と肺塞栓症であり、息切れ、胸痛、息苦しさ、片足の急な腫れなどは要注意です。この場合は総合病院での対応が適切になることが多いと思います。
一方、下肢静脈瘤に伴う血栓の多くは浅い静脈の血栓(血栓性静脈炎)であり、痛みは伴いますが、命に別条はないものがほとんどです。まずは落ち着いて専門医へ相談するのがよいかと思います。
ピルを内服されていたり(特に喫煙や肥満のある方)、長時間同じ姿勢をしている等の「リスクが上がる状況」を理解すること、日常で自分でできる予防法を実践すること、そして実際に医療機関を受診した方がいい目安について理解しておくことが結果的に安心につながるかと思われます。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。ご本人様だけでなく、周囲の方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。
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