足のむくみ(浮腫)やだるさ、痛みを解消:下肢静脈瘤について足の専門医が詳しく解説

概要

この記事では、足のむくみ(浮腫)や痛みの原因となる代表的な病気である下肢静脈瘤について解説します。下肢静脈瘤の症状や治療法、予防法について、よくある質問に答えながら説明します。夜中に足が痛い、ふくらはぎがずっと痛いなどの悩みを持つ方に向けて、効果的な対策を提案します。

下肢静脈瘤(バリックス)とは?

下肢静脈瘤とは、「かしじょうみゃくりゅう」と読み、静脈の瘤(コブ)と書くように足の太ももやすね、ふくらはぎ上の静脈が浮き出てボコボコとしたコブ状(ボコボコ血管)となり、曲がりくねる状態を指します。進行した方ではふくらはぎの一部にへこみがあるように見えることもあります。これは、足の静脈の中にある逆流防止弁が壊れることで、本来であれば血液を足から心臓に運べていたものができなくなってしまい、血液が逆流している状態になっていることが原因で起こっています。

長時間の立ち仕事や座り仕事、遺伝、肥満、妊娠が原因となることが知られています。症状は足のだるさ、こむら返りが代表的ですが、実際には非常に多くの症状を起こします(詳細はこちら)。

下肢静脈瘤の治療法

下肢静脈瘤の治療法には、カテーテルを用いた治療や注射を用いた治療法があります。カテーテル治療は局所麻酔で行えますが、患者さんの御希望や状態によっては軽い鎮静剤を使用し、寝ている間に終えることも可能です。手術は30分ほどで終了し、傷跡もほとんど目立ちません。

治療後のケアと注意点 やってはいけないことは?

手術後は弾性ストッキングを使用して血流を促進し、足を動かすことが重要です。安静にしすぎることは避けていただき、軽く動くことで血栓のリスクが減少します。治療後すぐにデスクワークに復帰することも可能です。

従来のレーザーを用いたカテーテル治療(詳細はこちら)では、術後は着圧ソックスを寝るとき履く必要がありましたが、最新のグルー治療の場合は、この必要がなく、術後はより楽に日常生活に戻ることができるようになっています(詳細はこちら)。

下肢静脈瘤の予防・悪化させない方法 静脈瘤によい食べ物はあるの? カフェインはとっていいの?

長時間の立ち仕事や座りっぱなしの生活は静脈瘤の原因となります。足をよく動かし、ふくらはぎの筋肉を鍛えることや、長時間の立ち仕事の方の場合は弾性ストッキングの着用が静脈瘤の予防や足の疲れを取ることに繋がります。

なにか下肢静脈瘤を治す/予防する食べ物はないか?と質問をされることもよくありますが、残念ながら食事と静脈瘤の直接的な因果関係はなく、下肢静脈瘤が消える食事はありません。コーヒーなどカフェイン摂取をしてもいいのか?という質問もされますが、カフェインは血管に対する影響は主に動脈の収縮作用であり、静脈に関してはほとんどないと思います。しかしながら、健康的な食事は血流改善に寄与するため、推奨されるとはいえます。

結論

下肢静脈瘤は放置すると悪化する可能性がありますが、適切な治療とケアで症状を緩和することはできます。足をよく動かし、ふくらはぎの筋肉を鍛えることや、長時間の立ち仕事の方の場合は弾性ストッキングの着用が静脈瘤の予防や足の疲れを取ることに繋がります。

既に静脈瘤を発症している方や静脈瘤でないか御心配の方は、早めに医療機関に相談し、適切な検査・治療を受けることをお勧めします。

本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
困っておられる御本人様はもちろん、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。


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