在宅勤務で増加するエコノミークラス症候群のリスクと予防法

弾性ストッキング

「最近、在宅勤務が増えて椅子に座りっぱなし…」

「長時間座り続けると何か身体に影響があるの?」

など、在宅勤務やオンラインゲームに没頭するあまり長時間座っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、在宅勤務の方やオンラインゲームに夢中になる方が増えている中で懸念されている深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)について解説します。脱水と長時間の座位による運動不足がもたらすリスクおよび血栓症の初期症状、効果的な予防策について解説します。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)とは?

エコノミークラス症候群は、長時間の座位による静脈血栓症を指し、特に深部静脈に血栓が形成されたもののことをさします。この血栓が肺に移動すると肺塞栓症を引き起こし、最悪の場合、死亡することがあります。エコノミークラス症候群という名前のとおり、以前は長時間のフライトの後に起こることで有名となりました。6時間をこえる長時間のフライトを経験したときに、このような状態になる傾向があることが知られています。

しかし、最近では地球温暖化が進む中で脱水状態になり発症する方や、在宅勤務やオンラインゲームに夢中になるがあまり長時間座り続けてしまい発生するケースが認められるようになっています。

エコノミークラス症候群の初期症状

エコノミークラス症候群の初期症状には、以下のものが含まれます:

  • 片足の腫れ: 特にふくらはぎや足首が腫れる、むくむ(心不全などの場合は両足が腫れますが、エコノミー症では通常片足が腫れます)
  • 下肢の痛みや不快感: ふくらはぎや太ももに感じる鈍い痛み、圧迫感、または違和感
  • 皮膚の変色: 影響を受けた部分の皮膚が青白く変わったり、赤みを帯びることがある

進行した場合、肺梗塞といって血栓が肺に達することで、胸痛、息切れ、失神などが生じることがあります。最悪の場合、死亡することもあるため、これらの症状については緊急の医療処置が必要です。

予防策

エコノミークラス症候群の予防には、以下の方法が推奨されます:

  • 頻繁な休憩: 毎時間少なくとも5分間は立ち上がって動くようにしましょう。これにより血液の循環が促進されます。
  • 足の運動: 座っている時でも、足首を動かしたり、ふくらはぎの筋肉を使う運動を取り入れると良いでしょう。
  • 十分な水分補給: 水分を適切に摂ることで、血液の粘度を保ち、血栓のリスクを減らします。
  • 弾性ストッキング(着圧ソックス)の使用: 弾性ストッキング(着圧ソックス)は、静脈の血流を促進し、血栓の予防に役立ちます。

どれも特別なことではありませんが、こういった小さな積み重ねが足の健康にはとても大切になってきます。

弾性ストッキングの使用方法などを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

エコノミークラス症候群になりやすい人

  • 以前に深部静脈血栓症を経験したことがある方
  • 最近手術を受けた方
  • 肥満の方
  • 妊娠中の方
  • 高齢者
  • ホルモン療法を受けている方

こうした方は、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクが高くなります。思い当たる場合は注意が必要です。これらの方々は、定期的な健康チェックや医療機関での相談をお勧めします。

エコノミークラス症候群の初期症状が現れたら速やかに医療機関を受診しましょう

地球温暖化や在宅勤務、オンラインゲームの普及に伴い、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクも増しています。適切な予防策を講じ、初期症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。長時間の座位を避け、定期的な運動と水分補給を心掛けることで、リスクを減らしましょう。

本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
在宅勤務となり運動不足になってしまった方や過去にエコノミークラス症候群になったことのある方はもちろん、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。


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