「毎晩、湿布をしているのに朝から足が重だるい…」
「むくみが辛くて痛い…」
など、足の疲れ・だるさ・痛み。むくみ(浮腫)などに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、長時間の立ち仕事、座り仕事によって引き起こされる足の疲れ、だるさ、痛み、むくみ(浮腫)、筋肉痛の原因と、それらを治す・解消するための効果的な方法について詳しく説明します。
足の疲れ・だるさ・痛み・むくみ(浮腫)、ふくらはぎの治らない筋肉痛の原因・理由
長時間の立ち仕事、座り仕事は、足に様々な問題を引き起こします。特に、血液が足に溜まることで、
- 足がだるい
- 重い
- 歩きにくい
- 痛い(立ちっぱなし/座りっぱなしでふくらはぎや足の裏が痛い、血管が浮き出る等)
- むくむ(浮腫)と筋肉痛が起こる
といった症状が現れることがあります。
これらの症状の原因の1つとして、静脈の逆流や血液循環の問題があることが多く認められます。
特に運動などの負荷がかかっていないのにかかわらず筋肉痛が起こる場合やテーピングや湿布をしても治らない疲労・痛み・むくみ(浮腫)などがある場合は可能性が非常に高くなります。
足にまつわる様々な症状にお悩みの方は、こちらもご覧ください。
押すだけでできる簡単なむくみ(浮腫)のチェック方法(圧痕性浮腫の確認方法)
むくみ(浮腫)の程度は実は自分でセルフチェックすることができます。
足の脛(すね)の前や足首、足背(足の甲)の皮膚を指で10秒間ほど押してから、ゆっくりと指を離してみてください。
圧迫した部分が凹んでしまい、すぐに戻らずにへこんだままになるようであればむくみ(浮腫)の兆候があると評価します。静脈瘤や血栓が隠れているような場合には片足だけ症状が出ていることがよくあります。
この方法は実際に医師が診察で行っている方法である上、非常に簡単にできるためおすすめできます。足に浮腫のある方は勿論ですが、靴下の跡が残る方、太ももやすね、足背(足の甲)にむくみや腫れがある方などには適している方法といえます。
足のむくみにまつわる原因や対策はこちらをご覧ください。
第2の心臓とは
足は「第2の心臓」と呼ばれますが、これは足の筋肉が血液を心臓に戻すポンプ作用を担っているからです。筋肉が収縮するときに血液を押し出し、血液を心臓に戻してくれます。
しかし、立ち仕事や座り仕事が長時間続くと、足の筋肉を動かす機会が減るため、どうしても足の筋力が低下しがちとなってしまい、血液がうっ滞しやすくなります。
特に気を付けたい職業については、こちらをご覧ください。
立ち仕事、座り仕事中の対策(浮腫まない方法・むくみの取り方)
立ち仕事による足の疲れ(疲労感)やむくみ(浮腫)を取る、軽減するための対策を紹介します(むくみが一瞬でとれるということはありません)。
つま先立ち
かかとを浮かせてつま先立ちをすることで、ふくらはぎの筋肉を動かし、血流を促進します。
立ち仕事中でも簡単に実践できる足の血流をよくする方法です。私自身も仕事の合間をぬっては意識的に行っています。特に足が疲れた時に行うととても気持ちがいいものです。
なお、静脈瘤が進行していたり、高齢の方ではつま先立ちができないことが稀にございます。
アキレス腱伸ばし
アキレス腱を伸ばす動きも、ふくらはぎの筋肉を動かすのに効果的です。伸ばした状態で20〜30秒間保持するのが適切です。
こちらもとても気持ちがいいものですが、決して無理はせず、痛みを感じない程度で行うようにしましょう。
ふくらはぎの筋力トレーニング、ストレッチ(運動療法)
「第2の心臓」である足の機能を改善、強化するためには屈伸運動などの筋力トレやストレッチが有効です。定期的な運動やストレッチを是非生活に取り入れましょう。
運動不足の方では始めはふくらはぎが筋肉痛で痛くなることがありますが、しばらく続けると改善するはずです。
即効性はありませんが、副作用がない上、長期間続けていけば、立ち仕事でもあまり疲れなくなってくるはずです。このため、適切な筋トレは実は最高のむくみとりである、といえます。
疲れをとる湿布がないか、という質問をされることもあります。湿布をすることで一時的に症状が軽減することはあるかもしれませんが、ふくらはぎの筋肉量が増えるわけではないため、長期的な効果は限定的といえます。
弾性ストッキングの使用
弾性ストッキング(着圧ソックス)は、ふくらはぎを圧迫することで血流を改善します。
元々足に溜まり、滞っている分が解消されるため、足の疲れ(疲労感)や足のむくみ(浮腫)がとれたり、軽減されます。(むくみが一瞬でとれるということはありません)
このため、立ちっぱなし或いは座りっぱなしの仕事の場合は仕事中に着圧ソックスを履くのは効果的といえます。
ドラッグストアにも類似の物がありますが、基本的に弱圧の物が多いことや適切な圧力の物を選ぶことが難しいため、できれば弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの有資格者に一度見てもらい、適切な弾性ストッキングを選択してもらうことが望ましいでしょう。
弾性ストッキングついて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
足の専門医の受診と予防
長時間の立ち仕事や座り仕事が続くと、足がだるい、重い、歩きにくい、痛い、むくむ、ふくらはぎの筋肉痛が起こる、といった症状が出ることがあります。
自分でできること(初期治療)としては、
- 下肢の定期的な運動やストレッチ(運動療法)を生活に取り入れること
- 弾性ストッキングを習慣的に使用すること
が推奨されます。
もし、これらの対策のみでは効果が十分ではない場合や、特に
- 運動などの負荷がかかっていないのにかかわらず筋肉痛が起こる場合
- 上記で御紹介したむくみのセルフチェックで脛(すね)がへこんだままになる場合
これらは血栓や下肢静脈瘤などの疾患が隠れている場合があります。
命にかかわるような病気ではありませんが、特に
などを伴う場合などは、特にこの病気が強く疑われるため、一度専門医を受診し、超音波検査(下肢静脈エコー検査)を受けることをおすすめします。
下肢静脈瘤の専門医を選ぶ方法についてはこちらをご覧ください。
長時間の立ち/座り仕事による足の疲れ・むくみを軽減はセルフケアを怠らずに!
長時間の立ち仕事や座り仕事による足の疲れ(疲労感)や足のむくみ(浮腫)を取る、防ぐためには、ふくらはぎの筋肉を適度に動かし、血液の循環を促進することが大切です。つま先立ち、アキレス腱伸ばし、弾性ストッキングの使用などを取り入れて、足の疲労を回復させ、健康を守りましょう。
本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
立ち仕事の方はもちろんですが、近年では在宅ワークの方が増えたことから多くの方が足の症状で悩んでおられます。本記事で紹介したような保存療法でも症状が軽快するケースも多々経験しますので、よければ是非実践してみてください。
また現在、悩んでおられる御本人様はもちろんですが、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。
健康の土台は足にあります。もし、なかなか症状が改善しない場合など当院への受診や御相談の御希望がございましたら、お気軽にお問合せください。
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