静脈瘤の検査では何をする?エコー検査でわかること

静脈瘤の検査では何をする?エコー検査でわかること 下肢静脈瘤の治療法と選び方

足に血管が浮き出たり、むくみやだるさが続いたり、片足だけ腫れて痛むことがあると「何か病気があるかもしれない」と不安になる方も多いでしょう。

診療の現場では、「検査では何をするのか」「痛くはないのか」「どれくらい時間がかかるのか」といった質問をよく受けます。

この記事では、静脈瘤が疑われた場合に行われる超音波(エコー)検査の流れや内容、何が分かるのかをわかりやすく解説します。

下肢静脈瘤の検査とは?

下肢静脈瘤の検査とは?

視診・問診で分かること

診察ではまず問診や視診・触診が行われます。足に浮き出た血管の状態やむくみ、皮膚の色や湿疹の有無などを確認し、症状の経過や生活習慣を伺います。

この時点で静脈瘤の可能性が高い場合には、より詳しく血管の状態を調べるために超音波検査へ進みます。

超音波検査の概要

超音波検査は、耳に聞こえない高い音(超音波)を使って血管内をリアルタイムで映し出す検査です。

放射線を使わないため体への負担は全くといってもなく、安全性が高いことから妊娠中の検査にも使われるものです。

検査は皮膚に専用のゼリーを塗り、プローブという器具を足に当てるだけで行われ、痛みはありません。

検査時間は両足で約15〜30分程度が目安です。

過去の検査との違い

かつて静脈瘤の診断には造影検査が行われ、針を刺して造影剤を注入したうえでレントゲン撮影をする必要がありました。

現在は超音波検査が主流となり、造影剤を用いないため繰り返し検査できる点や痛みがない点が大きな違いです。

詳細は省きますが、ここでは安全で痛みの少ない検査に移行したことを押さえておきましょう。

エコー検査の流れ

エコー検査の流れ

検査姿勢と所要時間

検査は足の血管が膨らみやすいように立位や座位で行われることが多いですが、体調に合わせてベッド上で行うこともあります。

プローブを足の付け根から足首まで順番に当て、血管をなぞるようにして血流を確認します。

検査にかかる時間は片足5〜15分ほどで、両足でも30分程度で終了します。

プローブとジェル、痛みの有無

超音波を体内に伝えやすくするため、検査部位にゼリーを塗ります。ジェルが少し冷たく感じることがありますが、痛みはありません

基本的にはプローブを皮膚に当てて観察しますが、血栓の有無を確認するために、必要に応じて軽く圧迫しながら見ることもあります。

検査は妊娠中でも受けられるほど安全で 、体への影響はほとんどありません

検査で確認するポイント

エコー検査では、以下のような項目を確認します。

  • 静脈の拡張の有無:血管がどの程度太くなっているかを見ることで、静脈瘤の進行度合いを判断します。
  • 血液の流れる向きと逆流の有無:健常な静脈では血液は心臓に向かって流れますが、静脈瘤では弁が緩み逆流が起こることがあります。超音波検査では色や波形で流れの方向を確認できます 。
  • 弁の働きと逆流の範囲:逆流がどこから始まりどこまで広がっているかを調べ、治療が必要か経過観察でよいかの判断材料にします 。
  • 血栓の有無:深い静脈に血栓ができていないか、炎症が起きていないかを確認できます 。

エコー検査でわかること

エコー検査でわかること

静脈瘤と逆流の有無

超音波検査で逆流が確認されると、どの静脈のどの位置から血液が逆流しているかを特定できます。

静脈弁の働きが弱くなると、長時間立ったり座ったりすることで血液が下にたまってしまい、むくみやだるさを引き起こします

逆流を起こしている静脈の位置や範囲を把握することで、治療の必要性や方法を決める際の参考になります。

弁の働きと逆流の範囲

治療の適応は、検査で確認した逆流の有無に加え、症状の強さや血管の状態、逆流の範囲、皮膚の変化などを総合して判断します。

逆流があっても症状が軽い場合は弾性ストッキングや生活習慣の改善で経過観察となることが多く、逆流が広範囲に及んで症状が強い場合に治療を検討します。

血栓や他疾患との鑑別

超音波検査では静脈瘤だけでなく、血栓や炎症が起きていないかも確認できます。

深部静脈血栓症などは片足の腫れや痛み、皮膚の赤みや熱感を伴うことがあり、放置すると肺塞栓症につながるおそれもあるため早期の鑑別が重要です。

ただし、血栓の詳しい症状や治療については別の記事で取り上げているので、ここでは「エコーで血栓の有無を確認できることがある」とお伝えするに留めます。

検査結果の説明と治療の目安

検査結果の説明と治療の目安

検査後は画像や動画を見ながら医師が結果を説明します。

逆流している静脈の位置や弁の状態、血液の流れる向き、逆流の有無、血栓の有無などを総合的に評価し、経過観察でよいのか治療が必要かを決めます。

治療が必要と判断された場合でも、血管内治療や硬化療法など日帰りで行える方法が多く、患者さんの症状や希望に合わせて選択します。

検査前後の注意点

検査前後の注意点

特別な準備や食事制限は不要で、検査着に着替えて行うため服装を気にする必要はありません。

検査後も生活上の制限はほとんどなく、普段通りに過ごせます。

疑問点があれば検査前後に医師やスタッフに確認しましょう。

受診を検討した方がよいケース

受診を検討した方がよいケース
  • 夕方になると足がむくみやすく重だるい
  • 血管が浮き出たり、足首やふくらはぎがパンパンになる
  • 片足の腫れや痛み、熱感がある
  • 家族に静脈瘤がある、過去に静脈瘤を指摘されたことがある
  • 長時間の立ち仕事や座り仕事で足の症状が続く

こうした症状がある場合は、超音波検査で血管の状態を確認しておくと原因や今後の対応を整理しやすくなります。

放っておくと症状が進行することもあるので、早めに専門の医療機関に相談してみましょう。

FAQ

検査は痛いですか?

いいえ。超音波検査は皮膚の上からプローブを当てるだけで、痛みはありません。

妊娠中でも受けられるほど安全です。

検査にはどれくらい時間がかかりますか?

片足5〜15分、両足でも30分程度で終わるのが一般的です。

検査中に立っているのがつらい場合は座ったまま行うこともできます。

エコー検査でわかることは?

静脈の太さや血液の流れる向き、逆流の有無、血栓の有無などをリアルタイムで確認できます。

これらの情報をもとに、経過観察でよいのか治療が必要かを判断します。

検査の準備や注意点は?

食事制限などの特別な準備はありません。足に直接プローブを当てやすいよう、膝上までめくれる服装をおすすめします。

検査後は普段通りの生活で構いません。


本記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
足の血管の浮き出し、むくみ、だるさ、片足の腫れや痛みなどが気になる場合、自己判断だけで様子を見続けるよりも、一度検査で現在の状態を確認しておくと安心です。
下肢静脈瘤が関係しているのか、それ以外の原因が考えられるのかを整理することで、今後の対応もしやすくなります。

もしご本人様だけでなく、ご家族や周りの方にも似たような症状でお困りの方がいらっしゃいましたら、必要に応じて本記事を参考にしていただければ幸いです。
不安が続く場合や、症状が気になる場合には、下肢静脈瘤を扱う医療機関での相談もご検討ください。

当院でも無料の静脈瘤検査を行っております。
足の健康が気になる方、下肢静脈瘤の可能性が心配な方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
患者様お一人おひとりの状態に合わせて、丁寧に確認し、誠実に対応させていただきます。

この記事を書いた人
春山興右

このブログでは、日々の診療の中で感じたことや、患者さんから実際によくいただく質問などをもとに書き始めました。
教科書的な内容はもちろんですが、本には書かれていない、現場で診療を続けていて初めてわかる知恵や皆さんが知りたいと感じることを、素朴に、わかりやすくお伝えしていけたらと思っています。

静脈瘤の診療は、国内外で取り組んできた医療ボランティア活動と並んで、私にとっては大切なライフワークであり、生きがいのような存在です。
ところどころ熱が入りすぎてしまったり、至らない点も多いかと思いますが、どうか温かい目でご覧いただけたら嬉しいです。

資格は、脈管専門医・指導医、下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医、皮膚科専門医、男性ストッキング・圧迫療法コンダクターなどです(治療者兼当事者であり、毎日弾性ストッキングを履いています)。
よろしくお願いしますm(_ _)m

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