弾性ストッキング(着圧ソックス)はいつ履くべきか?

弾性ストッキング

「弾性ストッキングっていつ履くと効果があらわれるの?」

「正しい履き方が知りたい!」

など、弾性ストッキング(着圧ソックス)の効果的な履き方について知りたい方もいるでしょう。

この記事では、弾性ストッキング(着圧ソックス)の正しい履き方や適切な使用時間について解説します。

特に長時間の立ち仕事やデスクワークで足の疲れ(疲労感)がとれない、ふくらはぎや太ももなどの足が痛い、むくむ等、足の症状に悩む方は必見です。弾性ストッキング(着圧ソックス)の効果的な使い方や、夜寝るときの使用などについても解説します。

弾性ストッキング(着圧ソックス)とは

弾性ストッキング(着圧ソックス)は、足のむくみ(浮腫)やだるさをとる、改善するために設計された医療用の靴下です。最も有効なむくみとり、と言っても過言ではなく、患者さんに「むくみを取るには何がいい」と聞かれたら、迷うことなくおすすめします。

比較的即効性もあり、むくみを取るのに最適です。弾性ストッキングは足元から徐々に圧力をかけ、血液やリンパの流れを促進します。

足の症状に悩む方(特に太ももの内側がつる症状や、足の疲れ・疲労感を感じる方)にとって効果的なむくみケアができます。

弾性ストッキングの効果

弾性ストッキングは、足に溜まった血液やリンパ液を心臓の方に押し上げる効果があります。これにより、長時間の立ち仕事や座り仕事で足がむくんで痒くなったり、だるくなったりすることを防ぎます。

また、血栓症のリスクを減らす効果も期待できます。特に、

  • 過去に深部静脈血栓症(エコノミー症候群/ロングドライブ症候群)になったことのある方
  • ピルで血栓症になったことがある方

こうした方には再発の予防としても特におすすめです。

こちらの記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

弾性ストッキングはいつ履くべきか 着用時間について

弾性ストッキングを着用する時間としては朝起きてから夜寝るまで履くのが理想的です。これは、足が下にある状態で血液が溜まりやすくなるためです。

朝起きたらすぐに履き、夜寝る前に脱ぐようにしましょう。その間、弾性ストッキングは履きっぱなしにします。実は、私自身もベッドサイドの弾性ストッキングを置いておき、起床後はすぐに履くようにしています。

夜寝るときの弾性ストッキングは必要? 足を高くして寝る方が効果的

寝ている間は足が水平になるため、血液は自然に上半身へ移動し、足のむくみ(浮腫)が解消されます。このため、弾性ストッキングの目的である足に溜まった血液やリンパ液を心臓の方に押し上げる、ということが自然とできてしまうため、夜に弾性ストッキングを履かなくても問題はありません。

広告などで次の日に浮腫まない方法として、寝るときに着圧ソックス・着圧タイツ・着圧レギンスを履いて寝るようなものを紹介していたり、「夜用」弾性ストッキングなどと謳っている物もあります。寝る時に履くのがよくない、というわけではありませんが、医学的には就寝中に履く明らかなメリットはありません。

より一層の浮腫の軽減を考えるのであれば「寝るときに足を少し上げる」ので十分であり浮腫まない寝方だと思います。ただし、高血圧や心不全など心臓の持病がある方の場合は、一度主治医に確認した上で実践するのが安全です。なお、弾性ストッキングを履くと足のむくみ(浮腫)が解消されるため、一見すると最強のダイエット方法のように感じられるかもしれませんが、痩せるわけではありません。

弾性ストッキングが推奨されない場合(着圧ソックスの注意点・着圧ソックスの副作用)

弾性ストッキングはとても安全で良い治療と言えますが、向いていない状態の方もいらっしゃいます。弾性ストッキング(着圧ソックス)は通常の靴下と比べて強く足を圧迫するため、正しい製品と履き方をしないと、逆に血流障害(血流が悪くなる)が起こることがあります。

このため、足の血管の動脈硬化を指摘されたことのある方では注意が必要(重症の場合、下肢静脈瘤があっても弾性ストッキングは禁忌)です。よほど重症でなければ履けることがほとんどですが、主治医に確認の上、着用をするようにしましょう。

おすすめの医療用着圧ソックス/サポーターは? 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターに確認を!

弾性ストッキングの正しく履くには、正しい履き方を理解するだけでなく、適切なサイズの弾性ストッキングを選択することも大切です。

よく、おすすめの医療用着圧ソックス/サポーターのメーカーは何ですか、という質問もされるのですが、足のサイズや状態は1人1人異なるため、一概にどのメーカーがいいと言うことは難しく、最適なものを選ぶことの方が重要だと思います。

弾性ストッキングを用いた圧迫療法の適切な使用とその普及を目的としている弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターという資格があります。できれば弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの有資格者の看護師や医師に一度見てもらい、適切な弾性ストッキングを選択してもらうことが望ましいでしょう。

弾性ストッキング(着圧ソックス)は朝から夜までの使用を心がけましょう!

弾性ストッキング(着圧ソックス)は、長時間の立ち仕事や座り仕事で足のむくみ(浮腫)やだるさに悩む方にとっておすすめのむくみケアです(むくみが一瞬でとれる、ということはありません)。

朝から夜までの使用を心がけ、快適に過ごせるようにしましょう。弾性ストッキング(着圧ソックス)の注意点として、強い足の動脈硬化や心不全を過去に指摘されたことのある方の場合は弾性ストッキングを履かない方がいい場合もあります。

そのため、一度は医療機関を受診して専門医にかかることがおすすめです。できれば弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターに状態を適切に見極めてもらい、おすすめの医療用弾性ストッキングを選んでもらうのがよいでしょう。

当パレスクリニックでは、静脈瘤専門の医師がていねいに診察します。

またもしも治療が必要な場合でも、最先端の手術によりすべて日帰り手術が可能です。

健康の土台は足にあります少しでも心配な症状がおありでしたら、まずは一度お気軽にご相談ください

この記事を書いた人
春山興右

​静脈瘤専門の医師 

日本脈管学会認定 脈管専門医・指導医
下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

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