「静脈瘤で足の色が変化している部分があるけどキレイに治る?」
「治るまでにどのくらい時間がかかるのかな?」
と、自分の足がどのくらいで元の状態に戻るのか分からず、治療に不安を感じている方も多いでしょう。
結論としては、「静脈瘤による皮膚潰瘍は、原因となる静脈の逆流を治療し、創部ケアを続けることで改善が期待できます。ただし治癒までの期間や皮膚の戻り方には個人差がある」ということになるかと思います。
この記事では、静脈瘤が原因で発生する皮膚潰瘍(ひふかいよう:皮膚に穴があくこと)のカテーテル治療後の一般的な治癒過程について解説します。
こちらのブログの内容は、以下の動画でも解説しています。
なお、皮膚潰瘍だけでなく、静脈瘤によるかゆみ、黒ずみ、赤み、うっ滞性皮膚炎、出血まで含めた皮膚症状の全体像は、こちらの記事でまとめています。皮膚症状の全体像を確認したい方は参考になります。
静脈瘤による皮膚潰瘍の治療はどのくらいで治る?

静脈瘤による皮膚潰瘍が治るまでの期間は、潰瘍の大きさ、感染の有無、皮膚の硬さ、静脈の逆流の程度、治療後のケアによって異なります。一般的には、原因となる静脈の逆流を治療したうえで創部ケアを続け、数週間から数ヶ月かけて少しずつ改善していくことが多いです。
ただし、傷が閉じたあとも、黒ずみ・赤み・硬さ・瘢痕がしばらく残ることがあります。そのため、「傷が閉じること」と「皮膚の色や質感が落ち着くこと」は分けて考えるとよいでしょう。
では、静脈瘤による足の皮膚潰瘍を治療し、治癒までにどのくらいかかるのかその過程を解説していきます。
また、治療の初期段階から再発防止まで適切なケア、生活習慣の改善の重要性についても触れているのでぜひ、参考にしてみてください。
①治療初期段階:治らない難治性潰瘍に変化が出てきます
カテーテルによる治療が適切になされると静脈の循環不全が改善し、今まで治らなかった難治性潰瘍に変化が起こり始めます。
炎症が次第に落ち着き、局所の感染についてもコントロールされてきます。
連日のシャワーによる洗浄を中心に処置を行っていきます。また状況に応じて適宜ドレッシング材による保護も行います。
②肉芽形成期(にくげけいせいき):肉芽という赤い組織が出てきます
炎症が収まると、潰瘍の底部に新しい組織である「肉芽組織」が形成されます。
この赤く柔らかい組織は、潰瘍の治癒に必要な土台となります。適切な湿潤環境を維持するためのドレッシング材を使用することがあります。
③上皮化期(じょうひかき):肉芽の上に皮膚ができてきます
肉芽組織が十分に形成されると、新しい皮膚がその上に成長し始めます。
この「上皮化」という段階では、潰瘍の辺縁から中心に向かって皮膚が再生し、傷口が次第に閉じていきます。
再度の潰瘍形成を防ぐため、傷口を保護し圧力を避けることが重要です。
④瘢痕形成と成熟期
潰瘍が完全に閉じると、瘢痕組織が形成されます。最初は赤く柔らかい瘢痕組織も、時間とともに硬くなり、色が落ち着いてきます。
この過程には数ヶ月を要することがあり、皮膚の引きつりや硬化を防ぐためにマッサージや保湿剤が推奨されることがあります。
⑤再発防止と管理:潰瘍治療後の適切なケアには意味があります
一見治ったように見える治癒後も、瘢痕組織は正常組織と比較すると潰瘍が再発するリスクがあります。
再発を防ぐためには、弾性ストッキングの着用や適切なフォローアップが大切です。
また、立ちっぱなし・座りっぱなしの是正や体重管理、適度な運動、肥満の是正のための食生活の改善も再発予防に役立ちます。
弾性ストッキングをいつ履くべきか、寝るときも使うべきかなど、具体的な使い方を確認したい方は、こちらの記事も参考になります。
よくある質問
Q 静脈瘤による皮膚潰瘍はどのくらいで治りますか
A 治るまでの期間は、潰瘍の大きさ、感染の有無、静脈の逆流の程度、治療後のケアによって異なります。一般的には、原因となる静脈の逆流を治療したうえで、数週間から数ヶ月かけて少しずつ改善していくことが多いです。
Q 静脈瘤による皮膚潰瘍は、きれいに元通りになりますか
A 潰瘍そのものは改善が期待できますが、黒ずみ、赤み、皮膚の硬さ、瘢痕がしばらく残ることがあります。傷が閉じることと、皮膚の色や質感が落ち着くことは分けて考えるとよいでしょう。
Q 皮膚潰瘍が治ったあとも通院は必要ですか
A 一度潰瘍ができた皮膚は、再発に注意が必要です。状態によっては、弾性ストッキングの使用や生活習慣の見直し、静脈の状態の確認などを続けることがあります。
静脈瘤による皮膚潰瘍は、治療とケアでキレイに治ることが期待できます
静脈瘤による皮膚潰瘍は、原因となる静脈の逆流を治療し、創部のケアを続けることで改善が期待できます。
一方で、潰瘍が閉じたあとも、黒ずみ、赤み、皮膚の硬さ、瘢痕がしばらく残ることがあります。また、一度潰瘍ができた皮膚は再発に注意が必要なため、弾性ストッキングの使用や生活習慣の見直し、必要に応じたフォローアップが大切です。
静脈瘤による皮膚潰瘍が疑われる場合や、傷が治りにくい状態が続く場合は、自己判断で長く様子を見すぎず、医療機関で相談するとよいでしょう。
本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
皮膚潰瘍で困っているご本人はもちろん、周囲に思い当たる症状の方がいらっしゃる場合にも、この記事が受診を考えるきっかけになれば幸いです。
足の傷が治りにくい場合や、黒ずみ・赤み・かゆみ・皮膚の硬さを伴う場合は、皮膚だけでなく静脈の逆流が関係していることがあります。
必要に応じて静脈エコー検査で、静脈の逆流の有無、逆流の範囲、血栓の有無などを確認すると、今後の対応を考えやすくなります。
受診やご相談を希望される場合は、お気軽にお問合せください。




