静脈瘤による皮膚潰瘍(ひふかいよう)の治療後の治癒過程について

静脈瘤の皮膚症状・うっ帯性皮膚炎

「静脈瘤で足の色が変化している部分があるけどキレイに治る?」

「治るまでにどのくらい時間かかるのかな?」

と、自分の足がどのくらいで元の状態に戻るのか分からず、治療に不安を感じている方も多いでしょう。

この記事では、静脈瘤が原因で発生する皮膚潰瘍(ひふかいよう:皮膚に穴があくこと)のカテーテル治療後の一般的な治癒過程について解説します。

静脈瘤による皮膚潰瘍の治療はどのくらいで治る?

では、静脈瘤による足の皮膚潰瘍を治療し、治癒までにどのくらいかかるのかその過程を解説していきます。

また、治療の初期段階から再発防止まで適切なケア、生活習慣の改善の重要性についても触れているのでぜひ、参考にしてみてください。

①治療初期段階:治らない難治性潰瘍に変化が出てきます

カテーテルによる治療が適切になされると静脈の循環不全が改善し、今まで治らなかった難治性潰瘍に変化が起こり始めます。

炎症が次第に落ち着き、局所の感染についてもコントロールされてきます。

連日のシャワーによる洗浄を中心に処置を行っていきます。また状況に応じて適宜ドレッシング材による保護も行います。

②肉芽形成期(にくげけいせいき):肉芽という赤い組織が出てきます

炎症が収まると、潰瘍の底部に新しい組織である「肉芽組織」が形成されます。

この赤く柔らかい組織は、潰瘍の治癒に必要な土台となります。適切な湿潤環境を維持するためのドレッシング材を使用することがあります。

③上皮化期(じょうひかき):肉芽の上に皮膚が出きてきます

肉芽組織が十分に形成されると、新しい皮膚がその上に成長し始めます。

この「上皮化」という段階では、潰瘍の辺縁から中心に向かって皮膚が再生し、傷口が次第に閉じていきます。

再度の潰瘍形成を防ぐため、傷口を保護し圧力を避けることが重要です。

④瘢痕形成と成熟期

潰瘍が完全に閉じると、瘢痕組織が形成されます。最初は赤く柔らかい瘢痕組織も、時間とともに硬くなり、色が落ち着いてきます。

この過程には数ヶ月を要することがあり、皮膚の引きつりや硬化を防ぐためにマッサージや保湿剤が推奨されることがあります。

⑤再発防止と管理:潰瘍治療後の適切なケアには意味があります

一見治ったように見える治癒後も、瘢痕組織は正常組織と比較すると潰瘍が再発するリスクがあります。

再発を防ぐためには、弾性ストッキングの着用や適切なフォローアップが大切です。

また、立ちっぱなし・座りっぱなしの是正や体重管理、適度な運動、肥満の是正のための食生活の改善も再発予防に役立ちます。

弾性ストッキングの使い方についてはこちらを参考にしてみてください。

静脈瘤による皮膚潰瘍も治療すればキレイに治る!

静脈瘤による皮膚潰瘍の治療後の治癒過程を理解することで、効果的な治療と予防が可能になります。

適切なケアと生活習慣の改善を通じて、健康な皮膚を保ち、再発を防ぎましょう。静脈瘤の治療や管理については、専門医の指導を受けることが重要です。

本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
皮膚潰瘍で困っておられる御本人様はもちろん、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。


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