「最近、足首の血管が浮き出ている…破裂したら命に関わるのでは?」
「下肢静脈瘤って診断されて放置したら足から出血した!」
と、足首の血管が浮き出ていて気になる方や、ふとした拍子に足の血管が切れて慌てた方も多いのではないでしょうか。
本記事では、下肢静脈瘤からの破裂・出血するケースについて原因、症状、治療方法について解説します。
下肢静脈瘤からの出血・破裂-どんな症状が現れる?
静脈瘤の診療をしていると長年放置していた静脈瘤が破裂し、「足の血管が切れた」とおっしゃって来院される方がいらっしゃいます。
ほとんどの場合は、足首の血管が浮き出るようになり、ブドウの房のように1〜3mm程度の静脈瘤が複数認められるタイプの静脈瘤です。
このタイプの静脈瘤は血管が脆弱で、尚且つ靴にあたり擦れる部位であることから出血しやすいものになっています。
下記のようなケースから出血したまま来院される場合や、「即死するのではないか?」と驚いて救急車を呼び、救急病院にて縫って処置をされる場合が一般的です。
- 痒くてかいた拍子に
- ランニングなどの運動中
- 抗凝固薬(血液サラサラの薬)を内服している…高齢男性の場合
下肢静脈瘤から出血・破裂したら?治療方法について
下肢静脈瘤から血が出てくると「出血性ショック」になるのではないか、と不安に思うかもしれませんが適切な治療を行うことで、再発を防ぐことができるようになります。
ここでは、出血時の処置から下肢静脈瘤の治療までの流れをご紹介していきましょう。
出血した箇所を止血する
まずは止血を試みます。静脈からの出血は通常、足を高く上げて圧迫することで出血を止めることができます。血液サラサラの薬を飲んでいる方の場合は少し時間がかかることがあります。
出血性の下肢静脈瘤の原因や症状を把握
止血に成功したら、静脈瘤の状態を正確に把握・診断することに移ります。超音波(下肢静脈エコー検査)により下肢静脈瘤の状態を正確に評価します。
出血を止めるだけであれば患部の圧迫止血に加えて、硬化療法をするだけで済みますが、根本的な原因は皮膚表面の局所的なものではなく、奥にある静脈によることが多いため、根治治療をしなければ必ず再発します。
このため、超音波(下肢静脈エコー検査)によって正確に診断をした上で、正しい治療計画を立てることが重要です。
出血性の下肢静脈瘤の治療
超音波(下肢静脈エコー検査)の検査結果に基づいた治療を行います。
静脈内の弁不全についてはカテーテル治療を行い、出血した部位の拡張した静脈については硬化療法を行います。
硬化療法を局所に入れることで硬化剤が静脈内部で固まり出血の再発を防ぐことができます。
具体的な下肢静脈瘤の治療方法については下記を参考にしてみてください。
出血性の下肢静脈瘤は破裂する前に専門医に相談しよう
出血性の下肢静脈瘤は、出血を伴うことや膨らんだコブが目立つため一見すると重篤なように見えますが、正確な超音波検査(下肢静脈エコー検査)と検査結果に基づいた正確な治療を行うことで根治することが可能です。
実際に出血をしてしまうと御本人はもちろん、周りの御家族も非常に驚き心配されます。もし、症状が見られる場合は、出血する前に専門医に相談し、治療を検討してください。
本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
出血してしまい困っておられる御本人様はもちろんですが、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば、出血してしまう前に是非記事をシェアしていただけますと幸いです。
もし当院への受診の御希望がございましたら、お気軽にご相談ください。
患者様一人ひとりの状態に合わせて、検査から治療まで誠実に対応させていただきます。