「下肢静脈瘤の治療をしたけど今後再発するのでは?」
「再発しないようにするにはどうすればいい?」
など、下肢静脈瘤の治療を受けた後でも再発するのではないかと不安に感じている方も多いでしょう。
この記事では、下肢静脈瘤の再発に関する原因、診断の重要性、治療法について解説します。
静脈瘤の再発の原因・種類
下肢静脈瘤は、手術や治療を受けた後でも再発することがあります。一口に再発と言っても色々な種類の再発があります。再発の原因を理解し、適切な治療を受けるが重要です。
静脈瘤の再発には主に3つの原因があります:
- 適切な治療後の再発: 適切な治療を受けた血管は問題がないものの、初回の治療の時にはまだ問題がなかった静脈が後から静脈瘤となる場合。
- 不適切な初回治療: 診断が適切でなく、手術が必要であるのに硬化療法が行われた場合や治療しなければならない静脈が治療されていない場合。
- 古い治療方法による再発: 高位結紮術など、比較的再発しやすい治療法が行われた場合。
各々について以下で解説します。
適切な治療後の再発
このケースは仕方のない再発です。例えば、過去に右足の静脈瘤を治療した方が、左足の静脈瘤も発症して来院されるようなことは時々あります。
手術後に再発をする方は、立ち仕事の方や遺伝的に静脈瘤になりやすい方に多いといえます。
不適切な初回治療
近年では多くの患者さんがセカンドオピニオンで相談に来られますが、私の経験ではほとんどの場合、専門でない医師が治療した不適切なものです。専門の医師が系統的に検査を行い、治療をした場合は再発は非常に少ないものとなります。
古い治療方法による再発
カテーテル治療が始まる以前は高位結紮術という治療がよく行われていました。
高位結紮術は再発することが以前よりよく知られており、私自身はカテーテル治療前からストリッピング手術という根治治療しか行ってきませんでしたが、当時は、高位結紮術を選択する医師が多くいました。
再発例に対する対応
再発した静脈瘤の治療をするには、超音波検査(下肢静脈エコー検査)による正確な診断が不可欠です。ガイドラインにも具体的な検査方法が記載される程、下肢静脈瘤の治療を行う上で最も重要な検査です。
手術後の静脈の状態は変化していることが多く、現在の状態を把握するためには専門医による系統的な手順を踏んだ超音波検査(下肢静脈エコー検査)が必須といえます。正確な診断に基づいて治療計画を立てることが極めて重要です。
再発した静脈瘤の治療法
再発した静脈瘤は血管の状態が変形していることが多いのですが、ほとんどのケースにおいてカテーテル治療と硬化療法を組み合わせることで対応することができます。再発してしまったり、他院で断られてしまってもどうか諦めることなく、一度は専門医に相談することがおすすめです。
下肢静脈瘤の治療方法についてはこちらをご覧ください。
専門医に相談することで下肢静脈瘤の再発リスクを軽減できる
下肢静脈瘤は確かに再発することがあります。しかしながら、専門医が適切な治療を行った場合は再発する可能性はほとんどありません。仮に再発をしてしまっても、最新の治療を駆使することで治療することができる場合がほとんどですので、あきらめずに専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切だと思います。
本記事を最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
静脈瘤が再発してしまい困っておられる御本人様はもちろん、周りの方にもし思い当たる症状の方がいらっしゃるようであれば記事をシェアしていただけますと幸いです。
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