冬にすねがかゆいのは乾燥?保湿しても続くときに考えること

冬のすねのかゆみ|乾燥と保湿しても続くときの考え方 うっ滞性皮膚炎とかゆみ・黒ずみ

「冬になると、すねがかゆくなる」

「カサカサしているので保湿しているけれど、これだけでよいの?」

冬のすねのかゆみは、乾燥によるものなのか、別の原因があるのか分からない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、冬にすねがかゆくなる理由、普段の保湿で気をつけたいこと、保湿だけでは十分によくならないときの考え方について、できるだけわかりやすく解説します。

結論としては、冬のすねのかゆみでは、まず乾燥への対策を考えます。ただし、保湿してもかゆみや湿疹が続く場合は、皮膚の状態を確認し、むくみや血管の浮きなどもある方では、静脈の状態も確認することが大切です。

冬にすねがかゆくなるのはなぜ?

手で下腿の皮膚に触れている人
すねの皮膚を気にしている場面のイメージ。

皮膚の表面には、水分が逃げるのを防ぎ、外からの刺激を受けにくくする働きがあります。冬の乾燥や洗いすぎなどでその働きが弱くなると、カサカサするだけでなく、衣類が触れるといった刺激でもかゆくなることがあります。

すねは、こうした乾燥によるかゆみが出やすい場所です。掻いているうちに炎症が加わり、湿疹になることもあります。[1]

ただ、冬に始まったかゆみでも、原因が乾燥だけとは限りません。衣類や使い始めた塗り薬などによるかぶれ、湿疹が関係することもあります。

皮膚に目立つ変化がなくてもかゆみが続き、乾燥だけでは説明できない場合もあります。[2]

冬のすねのかゆみに、自分でできる対策

足の皮膚にクリームを塗っている人
皮膚の保湿ケアのイメージ。

入浴時は強くこすらず、保湿を続ける

かさついた部分を、垢のようにこすって落とそうとする必要はありません。入浴時は強くこすらず、やさしく洗うのがよいと思います。体を拭くときも、ゴシゴシこすることは避けたいところです。

保湿剤を使うことは、乾燥した皮膚を保護する基本的なケアになります。入浴後など、普段の生活の中で続けやすいタイミングを見つけておくとよいと思います。[3]

保湿剤を塗るとしみる、赤みが増えるなど使いにくさがある場合は、無理に続けず、医師や薬剤師に相談してみてください。

かゆいところを傷めない

かゆいと、つい手が伸びてしまうこともあると思います。ただ、掻き壊すと皮膚の炎症が強くなり、さらにかゆくなることがあります。

衣類や靴下が当たるところに症状がある場合は、こすれや締めつけ、使い始めたものとの関係も確認してみてください。

保湿は乾燥を補うためのケアです。すでに湿疹がある場合には、炎症を抑える治療も必要になることがあります。

保湿してもすねのかゆみや湿疹が続くときは

医師が下腿の皮膚を確認している場面
皮膚の状態を確認する診察のイメージ。

保湿してもかゆみが続く、赤みや湿疹がある、同じところを繰り返し掻き壊してしまう。そのようなときは、皮膚科で状態を確認するとよいと思います。傷やただれ、じゅくじゅくしたところがある場合も、保湿剤や市販薬だけで長く様子を見ず、相談を検討していただくのがよいと思います。

保湿で十分によくならない理由には、炎症への治療が必要な場合や、乾燥以外の原因がある場合などがあります。保湿しても治らないことだけで、静脈瘤が原因と判断することはできません。

受診時は、使っている保湿剤や塗り薬、症状が続いている期間を分かる範囲で伝えてください。症状をうまく言葉にできなくても、かゆい場所や皮膚の変化を見せることから始められます。

すねのかゆみに、むくみや血管の浮きもあるときは

脚に超音波検査のプローブを当てている場面
必要に応じて静脈の状態を確認する検査のイメージ。

足首の内側のかゆみや皮膚の色の変化に、夕方のむくみや足の重だるさが重なっている場合は、静脈の流れの悪さが関係していることがあります。[4]

血管の浮きがある、同じ足首まわりに湿疹を繰り返すといった場合も、必要に応じて静脈の状態を確認する手がかりになります。ただし、これらの症状だけで原因を決めることはできません。

皮膚の乾燥と静脈の流れの悪さが両方あることもあります。皮膚のケアを続けながら、必要な方では静脈エコー検査で血液の逆流などを確認します。[5]

足首やくるぶしの湿疹を繰り返すときの考え方、皮膚科と静脈の診療の役割については、こちらで詳しく説明しています。

まとめ

冬のすねのかゆみでは、まず保湿と、こすりすぎなどの刺激を減らすことを考えます。かゆみや湿疹が続く場合は、乾燥だけと決めつけず、皮膚科で状態を確認するとよいと思います。

むくみや血管の浮き、足首まわりの皮膚の変化もある場合は、必要に応じて静脈の状態を確認することがあります。皮膚への対処と、背景にある原因の確認を、それぞれ考えることが大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。冬のかゆみにどう対応するか、どこへ相談するかを考える参考になれば幸いです。

むくみや血管の浮きなどもあり、静脈との関係を確認したい場合は、当院でもご相談いただけます。冬のかゆみがあるだけで、静脈瘤の治療が必要と決まるわけではありません。

参考文献・資料

1. DermNet. Asteatotic eczema — 乾燥による湿疹、すね・冬の乾燥との関係。

2. 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology). 10 reasons your skin itches uncontrollably and how to get relief — かゆみの原因と、目立つ皮疹がない場合の説明。

3. 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology). Dermatologists’ top tips for relieving dry skin — 洗い方・保湿などの乾燥肌ケア。

4. 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology). Eczema types: Stasis dermatitis signs and symptoms — 静脈の流れに関係する湿疹の症状。

5. 米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology). Eczema types: Stasis dermatitis diagnosis and treatment — 診察と、必要に応じた超音波検査による評価。

この記事を書いた人
春山興右

このブログでは、日々の診療の中で感じたことや、患者さんから実際によくいただく質問などをもとに書き始めました。
教科書的な内容はもちろんですが、本には書かれていない、現場で診療を続けていて初めてわかる知恵や皆さんが知りたいと感じることを、素朴に、わかりやすくお伝えしていけたらと思っています。

静脈瘤の診療は、国内外で取り組んできた医療ボランティア活動と並んで、私にとっては大切なライフワークであり、生きがいのような存在です。
ところどころ熱が入りすぎてしまったり、至らない点も多いかと思いますが、どうか温かい目でご覧いただけたら嬉しいです。

資格は、脈管専門医・指導医、下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医、皮膚科専門医、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターなどです(治療者兼当事者であり、毎日弾性ストッキングを履いています)。
よろしくお願いしますm(_ _)m

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