下肢静脈瘤の手術は痛い?麻酔と術後の痛みについて

下肢静脈瘤の手術の痛みと麻酔、術後の過ごし方を伝えるイラスト 下肢静脈瘤の治療法と選び方

「下肢静脈瘤の手術は、どれくらい痛いの?」

「手術が終わってからも、痛みは続くの?」

日帰りでできる治療と聞いても、手術中や手術後にどのくらい痛むのか、イメージしにくい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、下肢静脈瘤のレーザー・高周波治療について、麻酔の方法や手術後の痛みを、できるだけわかりやすく解説します。

結論としては、「手術中は麻酔を使って痛みを抑え、私の診療経験では、手術後もほとんどの方はあまり痛みを感じずに過ごされています」ということになるかと思います。

手術中は、どのような麻酔を使う?

レーザーや高周波による治療は、静脈の中に細いカテーテルを入れ、熱で血管を閉じる方法です。この治療を「血管内焼灼術」といいます。

まず局所麻酔をして、エコーで見ながらカテーテルを静脈に入れます。その後、治療する血管の周囲にも麻酔薬を入れます。この麻酔には、痛みを抑えるだけでなく、熱から周りの組織を守る役割もあります。[1]

当院では、麻酔の注射に非常に細い針を使っており、私の診療経験では、針を刺すときの痛みもかなり軽いと思います。その後は、局所麻酔で痛みを抑えながら治療を進めていきます。

当院では、ご希望やお体の状態に応じて、静脈麻酔を併用することがあります。

手術後に痛みは出る?

私の診療経験では、手術後もほとんどの方はあまり痛みを感じずに過ごされています。ただ、治療した血管に沿って、筋肉痛のような痛みや、つっぱる感じ、硬さが出ることはあります。

こうした症状が出た場合も、時間とともに軽くなっていくことが多いです。

私の診療では、念のため痛み止めを処方していますが、実際に内服される方は2〜3割程度です。これは私の診療経験による目安で、治療する範囲や痛みの感じ方によっても異なります。

手術後に使う弾性ストッキングなどの圧迫には、術後早期の痛みを軽くする効果が報告されています。着用の方法や期間は、治療内容に合わせてご案内します。[2]

一方、痛みや腫れが日ごとに強くなっていく場合は、通常の経過とは異なることもあるため、治療を受けた医療機関へご相談いただくのがよいと思います。

術後の痛みと日常生活

レーザーや高周波の治療後は歩いて帰宅できます。[1]

家事や仕事、普段の歩行など、激しい運動を伴わない日常生活は、基本的に手術後から行えます。

座りっぱなしや立ちっぱなしが続くときは、ときどき短く歩く時間をつくるとよいでしょう。痛みや足の状態に合わせて、無理のない範囲で普段の生活へ戻していきます。入浴や運動、仕事など、手術後の生活全般については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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痛みが心配でも、まずは足の状態を知るところから

手術が怖いと、静脈瘤が気になっていても受診をためらってしまうことがあると思います。ただ、診察を受けたからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。私の診療経験では、受診された方の7〜8割ほどは、手術をせずに様子を見ることが多いと思います。

私の診察では、症状を伺い、エコーで静脈の状態を調べたうえで、治療が必要かどうか、どのような方法が合うかを考えます。その際に、麻酔や手術後の痛みについてもお話しします。

「痛みが心配で迷っています」と、そのまま伝えていただいて構いません。足の状態と治療の見通しを知ったうえで、手術を受けるかどうかを考えていただければと思います。

レーザー・高周波治療の仕組みや、治療が向いている方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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初診の検査・費用・予約方法は、こちらにまとめています。

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参考文献

[1]De Maeseneer MG, et al. Editor’s Choice – European Society for Vascular Surgery (ESVS) 2022 Clinical Practice Guidelines on the Management of Chronic Venous Disease of the Lower Limbs. Eur J Vasc Endovasc Surg. 2022;63(2):184–267. doi:10.1016/j.ejvs.2021.12.024.

[2]Gloviczki P, et al. The 2023 Society for Vascular Surgery, American Venous Forum, and American Vein and Lymphatic Society clinical practice guidelines for the management of varicose veins of the lower extremities. Part II. J Vasc Surg Venous Lymphat Disord. 2024;12(1):101670. doi:10.1016/j.jvsv.2023.08.011.

この記事を書いた人
春山興右

このブログでは、日々の診療の中で感じたことや、患者さんから実際によくいただく質問などをもとに書き始めました。
教科書的な内容はもちろんですが、本には書かれていない、現場で診療を続けていて初めてわかる知恵や皆さんが知りたいと感じることを、素朴に、わかりやすくお伝えしていけたらと思っています。

静脈瘤の診療は、国内外で取り組んできた医療ボランティア活動と並んで、私にとっては大切なライフワークであり、生きがいのような存在です。
ところどころ熱が入りすぎてしまったり、至らない点も多いかと思いますが、どうか温かい目でご覧いただけたら嬉しいです。

資格は、脈管専門医・指導医、下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医、皮膚科専門医、弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターなどです(治療者兼当事者であり、毎日弾性ストッキングを履いています)。
よろしくお願いしますm(_ _)m

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