下肢静脈瘤の手術は30分で終わる?手術時間と来院から帰宅までの目安

下肢静脈瘤の手術時間は30分?来院から帰宅までの目安 下肢静脈瘤の治療法と選び方

下肢静脈瘤について調べていると、「手術は30分ほど」という説明を目にすることがあります。30分で来院からお帰りになるまでのすべてが終わる、と受け取る方もいらっしゃるかもしれません。

先に結論をお伝えすると、この「30分」は、主に手術そのものにかかる時間の目安です。当院では、受付、点滴などの準備、手術後の包帯、お会計を含め、来院からお帰りになるまでは約1時間半を見ていただいています。ご自宅や職場との往復にかかる時間は、この中に含まれません。

この記事では、手術時間と院内で過ごす時間を分けながら、治療日にどのくらい予定を空けておけばよいかを説明します。

当院の血管内焼灼術にかかる時間の目安
  • 片足の手術そのもの:15〜30分
  • 両足の手術そのもの:30〜60分
  • 院内で過ごす時間:来院からお帰りになるまで約1時間半
  • ご自宅や職場との往復時間:別に必要

※いずれも当院で行う血管内焼灼術の実務上の目安です。治療範囲や足の状態などによって前後します。

「30分」といわれるのは、どの治療時間?

当院で行うカテーテル治療にはグルー治療や血管内焼灼術があります。逆流している静脈を医療用の接着剤で治すか、レーザーまたは高周波の熱で治す日帰りの治療です。治療する範囲や足の状態によって、手術そのものにかかる時間には幅があります。片足なら必ず30分以内に終わる、とは必ずしも限りません。

また、この数字は当院での時間の目安です。

診察で治療内容や所要時間を相談するイメージ
治療にかかる時間は、足の状態や治療内容を確認しながらお伝えします(イメージ)。

来院からお帰りになるまでには、手術以外の時間も含まれます

治療当日は、来院してすぐに手術を始め、手術が終わった瞬間に帰るわけではありません。受付の後に点滴などの準備を行い、手術後には包帯を巻き、お会計をしてからお帰りになります。

来院からお帰りになるまでの流れ
受付点滴などの準備血管内焼灼術包帯会計・お帰り
各工程の所要時間はご年齢などによって異なります。

手術が終わっても、包帯やお会計の時間が必要です。治療する範囲や当日の状況によって時間は前後しますので、終了時刻が決まっている予定をすぐ後に入れる場合は余裕を見てください。

その日はどのくらい時間を空けておけばよい?

治療日の予定を立てるときは、院内で過ごす時間だけでなく、往復の移動時間と、そして、当日は多少の気疲れもするとは思いますので若干の余裕時間も加えて考えるがよいかと思います。目安は院内の時間+往復の移動+少しの余裕です。

「半日空ければ足りるか」は、来院方法、移動距離、治療を受ける時刻、その日の仕事内容などで変わります。院内での時間だけでは判断できないため、移動も含めた予定を考えておくとよいでしょう。

たとえば、職場から来院してご自宅へ戻る場合は、「自宅とクリニックの往復」ではなく、職場からクリニックまでと、クリニックからご自宅までの両方を予定に入れます。ご家族のお迎えや仕事の打ち合わせなど、時刻を動かしにくい予定は、治療の直後に詰めない方が安心です。

当院では、手術当日にご自身で車や自転車を運転して帰ることは避けていただいています。どの交通手段で来院し、どのように帰るかも、予定を決める際に確認しておきたい点です。

仕事についても、手術時間が短いことだけを理由に必ずしも「すぐ戻れる」とはお伝えできません。座って行う仕事か、立ち仕事や体を動かす仕事かによっても考え方が異なります。治療日を決める段階で、通勤方法と仕事内容を確認し、その日の仕事をどこまで入れるかを判断します。旅行など大きな予定が近い場合も、日程を決める前にその予定を確認します。

「日帰り手術」と、症状や見た目が変化するまでの時間は別です

日帰り手術とは、入院せず、その日のうちにお帰りいただく治療です。しかし、手術が短時間で終わることと、足の症状や見た目が同じ時間で変化することは同じではありません。

治療した静脈は、その後、時間をかけて改善していきます。症状の感じ方や見た目の変化には個人差があります。「30分で治る」と考えるのではなく、手術にかかる時間と、足が変化していく時間は分けておくとよいでしょう。

治療後の過ごし方については、最後に紹介する関連記事で詳しく説明しています。

関連記事

治療の仕組みやレーザーと高周波の違いを詳しく知りたい方には、次の記事が役立ちます。

治療後の仕事、運動、入浴、運転などは、こちらの記事にまとめています。

実際に治療が必要かどうかは、足の状態を見て考えます

足の静脈の状態を超音波で確認するイメージ
診察では超音波検査で静脈の状態を確かめます(イメージ)。

「手術は短時間と聞くけれど、自分の場合はどのくらいかかるのだろう」「仕事や家の予定はどうすればいいのだろう」。手術時間だけでは、治療当日の予定を立てにくいこともあると思います。この記事で示した片足15〜30分、両足30〜60分は、あくまで手術が必要になった場合、手術そのものの目安です。準備や包帯、お会計にかかる時間と往復の移動も含めて、予定を立てておくとよいでしょう。

下肢静脈瘤があっても、すべての方に血管内焼灼術が必要なわけではありませんし、実際の私の臨床経験では保存的に様子を見る方の方が大半かと思います。診察では、まずお話を伺い、超音波検査で静脈の状態を確かめます。そのうえで、治療が必要なのか、経過をみてよいのかをご説明します。治療を考える場合は、仕事やご家庭の予定も伺い、治療当日に必要な時間の目安をお伝えします。

受診前に治療を決めておく必要はありません。「どのくらい時間を空けておけばよいか」も含め、気になっていることをそのままお話しください。

この記事を書いた人
春山興右

このブログでは、日々の診療の中で感じたことや、患者さんから実際によくいただく質問などをもとに書き始めました。
教科書的な内容はもちろんですが、本には書かれていない、現場で診療を続けていて初めてわかる知恵や皆さんが知りたいと感じることを、素朴に、わかりやすくお伝えしていけたらと思っています。

静脈瘤の診療は、国内外で取り組んできた医療ボランティア活動と並んで、私にとっては大切なライフワークであり、生きがいのような存在です。
ところどころ熱が入りすぎてしまったり、至らない点も多いかと思いますが、どうか温かい目でご覧いただけたら嬉しいです。

資格は、脈管専門医・指導医、下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医、皮膚科専門医、男性ストッキング・圧迫療法コンダクターなどです(治療者兼当事者であり、毎日弾性ストッキングを履いています)。
よろしくお願いしますm(_ _)m

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